脳の複雑ネットワーク性の役割の解明


 脳は神経細胞で構成される大規模なネットワークです。そのネットワーク構造はランダムではなく、ある種の複雑ネットワーク性を有しています。その代表例がスモールワールド性です。しかし、その複雑ネットワーク性が神経回路網においてどのような情報処理に寄与しているかはよくわかっていません。この研究では、複雑ネットワーク性を有する神経ネットワークのシミュレーションを構成し、そのネットワーク上でどのように情報が流れ、どのような神経計算がなされるかを明らかにしようとしています。複雑ネットワーク性の役割が解明されることで、脳のような高度な情報処理を実現する人工知能の開発につながることが期待されます。
 また、このような構成的手法を用いて、神経発達症の一つである自閉スペクトラム症の脳の特異性の理解を目指す研究にも取り組んでいます。自閉症特有の脳構造が、どのような脳活動をもたらすのかを調査することで、その症状を引き起こすメカニズムを明らかにします。将来的には、投薬や脳への電気的刺激による効果を予測するシミュレーションを開発することを目指します。
 詳しくは河合助教のホームページをご覧ください。

Comments are closed.