脳と身体のダイナミクス


 本来、脳はそれだけで駆動する器官ではなく、身体と密に結びついて、機能を発現させます。すなわち、脳のダイナミクスと身体のダイナミクスはカップリングシステムを構成し、それらの相互作用こそが脳を理解する上で重要になると考えられます。脳活動により身体が駆動し、その結果の感覚情報が脳に入力され、脳神経の可塑性によって脳構造が変化します。その変化が脳活動の変化を引き起こします。
 我々はこの脳と身体の相互作用的なダイナミクスを理解するために、身体に接続された大規模な脳神経シミュレータを開発し、脳構造が身体的挙動に及ぼす影響や、身体構造が神経活動に及ぼす影響,また,神経活動の中に創発する身体表現などについて研究しています。
 現在、脳と身体の緩やかなカップリングにより、多様な運動パターン間を遷移する身体的挙動が現れ、その運動パターンに対応する脳活動表現が現れることが明らかになりました。また、そのような脳と身体のカップリングに、報酬学習メカニズムを加えることで、どのような脳構造や神経表現が学習を促進するのかを調査する研究をしています。
 詳しくは河合助教のホームページをご覧ください。

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