浅田研で行っている研究テーマのいくつかを簡単に紹介します。 過去の発表論文一覧はこちらか らどうぞ。また、JST ERATO 浅田プロジェクトのサイトも併せてご覧ください。
認知発達ロボティクスグループ
認知発達ロボティクスグループは、 ロボットを作ることを通してコミュニケーションに関わる認知発達のしくみを明らかにすることを目的としています。 認知心理学、神経生理学といった他分野と密接に係わり合いながら、 「身体表現」や「共同注意」の獲得、「音声模倣」の発達的学習、 コミュニケーションを通じた「情動発達」モデルといったテーマに取り組んでいます。
「幇助を利用した運動学習」の研究では、人間の援助をうまく引き出し、
それを利用することで、効率的に運動学習を行う枠組みの設計を目指しています。
人間の大人は幼児に運動を教える際に、ゆっくりとそして大きく動くことで、
運動のゴールやそれに至る過程を強調して教えていることが知られています。
そのような援助をロボットが人間から自然に引き出すためにはどう振る舞えばよいか、
また、そのような誇張された運動からゴールを認識するためには、
どのような知覚システムをもてばよいかを研究しています。
「子供酷似型ロボットの開発」の研究では、
認知ロボティクスの研究において様々な実験のためのプラットフォームとなる子供ロボットの開発研究を行っています。
発達にとって環境や周囲の人との相互作用は重要な要素ですが、できるだけ実際の子供と同じような状況をつくるために、
子供と同じ大きさで、柔らかな身体、表情が豊かな顔、
小さなハンドなどを持つ子供酷似型ロボットの開発研究を行っています。
「共同注意」の研究では、他者を理解する上で重要な、
他者と同じものを見る行動(共同注意)の研究を足がかりに、人を理解し、
人に理解されるロボットの実現を目指しています。
この研究では、『人が見ている先には物がある』や『人は目の前にある物ついて話す』といった人間の随伴的行動に注目し、
人とのやりとりを通してそれらを学習し、
さらには獲得した行動をやりとりに反映させることでより複雑なコミュニケーションを創発することを目指しています。
このようなロボットの実現を通じ人のコミュニ ケーション発達のしくみを明らかにしていきます。
胎児や新生児の「全身筋骨格シミュレータ」を用いた発達メカニズム解明と早産児の運動解析に関する研究を行います。
シミュレータは全身に200個近い筋や触覚センサ、視覚センサを持つ胎児や新生児のシミュレータで、
これまで胎生初期の行動発達モデルの研究等に使用されており、
科学的な研究や早産児を含むケア等医療に対する貢献が期待されています。
具体的には以下を行う予定ですが、これに限らず新しい発想の研究も模索します。
(1)シミュレータの公開に向けたソフトウェア開発
(2)胎児・新生児の認知運動発達に関する神経回路モデル
(3)早産児の運動と発達障害の関係に関する研究
「自他認知」の研究では、ロボットが環境や人間とのインタラクションを通じて、
自分の身体がどう知覚されるのか、そして、
それが他者とどのような関係をもつのかを自律的に獲得していく枠組みの設計を目指しています。
これは人間の社会的認知機能の最も基本的な能力で、
ミラーニューロンシステムとも呼ばれています。
このミラーニューロンシステムの発達に知覚・運動の精緻化がどう影響するのか、
また身体のもつ役割は何か、
他者の関わりの変容がどう発達を促進するかについて探求しています。
ロボカップグループ
「2050年にワールドカップのチャンピオンチームに勝てるロボットをつくる!」
ロボットの技術力向上とその研究成果の社会への発表の場として1997年にスタートした世界的なロボット競技会ロボカップは、
今日のロボットブームの火付け役となりました。
浅田稔教授はその創始者の一人であり、大会の立ち上げ当初から実行と運営に携わっており、
研究室も毎年日本大会と世界大会に参加しています。
ロボカップグループはロボカップのヒューマノイドリーグに参加し、歩行や起き上がり、
キックといった基本動作の獲得の問題について取り組み、
ヒューマノイドでは初めて2体のロボットによるパス行動学習を実現しました。