物体情報の取得とデータ処理

サンプルプログラムをダウンロード・コンパイル・実行してください.
このプログラムでは,一つの物体の位置へアームを移動させ,物体を把持し,その重量を計測します.
物体の見た目の情報(位置,色,半径)は天井の視覚センサ(カメラ)で,物体の重量はグリッパの力覚センサで計測できると仮定します.
ただし,簡単化のため,カメラ画像処理は省いており,物体番号を渡すとその位置,色,または,半径を返す関数が用意されています.

まずは,その物体情報を格納するObject構造体を定義しましょう.

typedef struct{
     int index;
     Position position;
     ColorRGB color;
     double radius;
     double weight;
} Object;

indexは物体の番号を表すものとします.

get_object_position関数を用いて,1番目の物体の位置情報を取得できます.

Position temp;
temp = get_object_position(0);

ここで,関数の引数0は1番目の物体を意味します.

同様にして,色,半径,重量を以下で取得できます.

object.color = get_object_color_rgb(0);
object.radius = get_object_radius(0);
object.weight = get_object_weight(0);

ただし,重量値は物体を把持しているときのみ取得可能です.
また,位置と重量の値にはセンサノイズが含まれています.
例えば,誤差の大きな位置をアームの目標位置としてしまうと,その後の把持動作に失敗してしまいます.

このノイズを除去するために,MEASUREMENT_STEP回センサ値を取得して,データを平均化しています.
まず,位置を初期化します.

object.position.x = 0;

ループ中で,MEASUREMENT_STEP回,センサデータを加算します.

object.position.x += temp.x

そして,MEASUREMENT_STEP + 1回目のループで,それを計測回で除算することで,比較的正確な平均値を得ます.

object.position.x /=  MEASUREMENT_STEP;

y軸方向も同様です.

把持動作と重量情報の取得

MEASUREMENT_STEP + 2回目以降のループでは,取得した位置情報を元に,その物体の重量を計測します.
この処理は煩雑になるため,また,後で繰り返し使えるように,

approach_and_weight(object.position, get_arm_state(), get_gripper_state());

に関数化しています.
この関数には,アームとグリッパの状態も渡しています.

まず,アームが動いているときに指令を与えてもアームの動作の邪魔になるだけなので,

if(arm_state != ARM_STATE_STOP) return;

の条件をつけて,アームが止まっているときに限り以降の処理を行うようにします.

次に,この関数ではアームは移動,把持,重量測定と解放の三つの動作をする必要があるので,その三つの場合に分けます.
現在,どの処理段階にあるのかはtask_stateに書いておきます.

はじめ,

TaskState task_state = APPROACH;

であるので,

set_command_move_arm_to(object.position);

で,物体位置までアームを移動させます.

そして,PICKUPでは,

set_command_pick_up_object();

で物体を把持します.

最後に,RELEASEでは重量を測定して,と行きたいところですが,上記の把持動作は失敗することがあります.

グリッパの状態を確認して,物体を把持していなければ,再試行します.

if(gripper_state == GRIPPER_STATE_EMPTY){
     task_state = PICKUP;
}

把持していれば,重量を測定して,物体を離します.

if(gripper_state == GRIPPER_STATE_HOLDING){
     weight = get_hold_object_weight();
     set_command_release_object();
     task_state = STOP;
     return(weight);
}

STOPの処理には何も書いてありませんので,ロボットは停止します.

練習

5個すべての物体の重量を計測・表示するプログラムを作成してください.
重量センサ値はガウスノイズを含んでいるので,ノイズ除去後の値を表示してください.

ヒント

approach_and_weight関数が重量を返したときに,次の物体の処理へ進めましょう.

課題

N個すべての物体の位置・重量・色・半径,ならびに,すべての物体の計測が終了するまでのアームのx-y軌道長をファイル出力するプログラムを作成してください.
位置と重量のセンサ値はガウスノイズを含んでいるので,ノイズ除去後の値をtxtファイルやcsvファイルなどに書き出してください.
物体数Nはプログラム実行後にキーボード入力します.

このときのアームの軌道をグラフ化してください.
物体位置はランダムに決まるので,一回の実行結果を提出してください.

適宜コメントを入れたり,関数化したりして,他人にもわかりやすいプログラムになるように心がけてください.全くコメントのないものは減点します.
他人のプログラムを写したことが判明した場合は,両者とも0点になります.課題内容に対応していないプログラムにも点をつけません.

ヒント

アームの位置の取得には,関数

get_arm_position()

を用います.

グラフ描画ツールには例えば,gnuplot,R,python,Microsoft Excel,OpenOffice? Calcがあります.

発展課題

より短い(最短の)アームの移動で課題を終了させるためにはどのようにすればよいか考え,可能ならばプログラムを作成してください.
この課題はセールスマン巡回問題と関連し,難問ですので,後回しでもよいです.

提出物

提出物一式を入れるフォルダの名前は学生番号にしてください(ログインIDではない!).

提出日

2週間後の24:00までに,上記を入れたフォルダをzipに圧縮したものをCLEで提出してください.


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