Hyperscanning MEGによる親子脳機能同時計測

複数名の脳活動を同時に計測する手法はHyperscanningと呼ばれ,脳波・fMRI・NIRSを用いて2名以上の成人を対象としている研究が報告されている.MEGによるHyperscanning装置については1例報告されているが,親子の同時計測を行うための装置は未だ実現されていない.その理由としては,子どもを対象とした研究においては実施のために装置の工夫が不可欠であることが挙げられる.MEGは閉塞感が少なく頭皮上に多数の電極やプローブを装着する必要がなく,時間・空間解像度ともに優れる手法であるため,様々な脳領域が関わる社会的相互作用の様子を精度良く調べる手法として適している.そのため成人用・小児用の2台のMEGを同期させ,親子のコミュニケーションを同時に計測する装置の開発を,大阪大学大学院医学系研究科・金沢大学子どものこころの発達研究センター・横河電機金沢事業所と共同で行った.
この装置では,1つのシールド室内に2台の脳磁計を併置して同時に2名の脳機能を計測する装置を構築した.そのうちの1台は子どもの脳機能計測用にデュワーのヘルメットサイズの小さい脳磁計(横河電機株式会社製PQ1151R: 151ch)を使用した.これに成人用脳磁計(横河電機株式会社製MEG vision NEO: 160ch)と,CCDカメラとプロジェクタを用いた画像呈示システムを構築し,計測中に互いの表情をリアルタイムに観察することを可能にした.
DualMEG

Hirata M., Ikeda T., Kikuchi M., Kimura T., Hiraishi H., Yoshimura Y., & Asada M. (2014) Hyperscanning MEG for understanding mother-child cerebral interactions. Front. Hum. Neurosci. 8, 118.
http://www.frontiersin.org/Journal/10.3389/fnhum.2014.00118

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