最終公開シンポジウム

下記の要領でJST CREST「脳領域/個体/集団間のインタラクション創発原理の解明と適用」の最終公開シンポジウムを開催いたします。どなたでもご参加いただけます。どうぞ奮ってご参加ください。

本プロジェクトは「脳領域間や個体間、集団間などのさまざまな層のインタラクションに共通する原理はあるのか?」という問題提起から出発しました。本研究チームでは、複雑な環境のもとで機能分化し即時適応する基本原理を解明してきました。拘束条件付き自己組織化理論からダイナミック拘束の下での変分原理を提案しました。この原理をもとに、機能分化と即時適応をそれぞれ実現するAI分野でのブレークスルーとなるニューラルネットを開発しました。また人間や霊長類社会における集合知の発現条件を明らかにし、未来社会への提言も可能となりました。さらに、コミュニケーションに伴う脳活動変化の定量化を行い、個別化医療への一歩を踏み出すことができました。

本シンポジウムでは、プロジェクト実施期間(2017年10月―2023年3月)に得られた研究成果をお示しします。

研究代表者 津田 一郎

プログラム

  13:00 受付開始
  13:30 – 13:40 開会挨拶・プロジェクトチーム概要紹介
津田 一郎(中部大学 創発学術院 教授)
  13:40 – 14:15 創発原理グループ紹介
「拘束条件付き自己組織化理論とその応用」
津田 一郎(中部大学 創発学術院 教授)
  14:15 – 14:50 脳領域間・ロボットグループ紹介
「ニューラルネットワークの構造的制約がもたらす機能分化とロボットの即時適応」
河合 祐司(大阪大学 先導的学際研究機構 特任准教授)
  14:50 – 15:00 休憩
  15:00 – 15:45 基調講演
「インタラクション設計の科学に向けて -再訪:認知発達ロボティクス-」
浅田 稔(大阪国際工科専門職大学 副学長・大阪大学 特任教授・中部大学 客員教授・NICT PI)
  15:45 – 15:55 休憩
   15:55 – 16:30 個体内/個体間グループ紹介
「親子関係の可視化:神経科学的アプローチ」
池田 尊司(金沢大学 子どものこころの発達研究センター 准教授)
   16:30 – 17:05 個体間/集団間グループ紹介
「「個体間/集団間」グループ:サルの社会生態研究からの挑戦」
松田 一希(中部大学 創発学術院 准教授)
   17:05 – 17:40 集団内/集団間グループ紹介 
「群衆の知恵 (Wisdom of Crowds) を超える集合知発生のメカニズム」
亀田 達也 (東京大学 大学院人文社会系研究科 教授)
  17:40 – 18:00 [共生インタラクション]領域 研究総括の講演
「人間と情報環境の共生インタラクション研究がもたらす未来社会デザイン」
間瀬 健二(名古屋大学 数理・データ科学教育研究センター 特任教授(名誉教授))
   18:00 – 18:05 閉会挨拶
津田 一郎(中部大学 創発学術院 教授)

基調講演

インタラクション設計の科学に向けて -再訪:認知発達ロボティクス-

浅田 稔
大阪国際工科専門職大学 副学長・大阪大学 特任教授・中部大学 客員教授・NICT PI

講演概要

津田CRESTでは、脳領域から集団までの異なる時空間スケールと多種多様なインタラクションを統一的に扱う理論を構築し幾多の例が示されてきた。本講演では、それを拡張した「インタラクション設計の科学」を提案する。認知発達ロボティクスを再訪し、現状の深層学習によるAIの力づくの手法との差異を明らかにする。インタラクションがそのキーであり、要素としての身体性や社会的相互作用の現代的意味を再認する。科学、工学、社会がシームレスに繋がり、微視的にも巨視的にも相互浸透的なインタラクションの設計・実現を目指す新たな科学である。

フライヤー

会場における新型コロナウイルス感染症に関する対策とお願い

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